保険料の決められ方

子供保険の特徴として、貯蓄と保険を兼ねているということがあります。これはすなわち、毎月保険会社に払っている保険料が、すべてが貯蓄に回っているのではなく、その中には親の死亡保障のためのお金も含まれている、ということになります。

そうなると、子供保険の保険料はどのようにして決められているのか、ということが問題になってきますが、子供保険の保険料というのは、予定事業率、予定死亡率、予定利率の3つの基準から決められています。

・予定事業率
会社を運営するための予算です。
各保険会社の事業は顧客から支払らわれる保険料で成り立っており、従業員の給料や電話代などの諸経費がこれに含まれています。
この予算の割合が予定事業率です。

・予定死亡率
死亡する人に保険金を支払うための予算です。
例えば保険料を1年しか払い込んでいない人が亡くなった場合でも、死亡保障額が1億円の場合、保険会社は1億円を支払わなくてはなりません。
しかし、死亡者がいつ、どれくらいの割合で出てくるかは性格にはわかりません。そこで過去の統計を基に死亡率を計算し、保険金として用意しておくべき支払う金額を計算します。
この予算の割合が予定死亡率です。

・予定利率
株式・債券で利益をあげる予定の利率のことです。
保険会社内の運用担当者は、契約者が支払った保険料の一部で株式や債券を買ったり、他の会社に融資を行うといったような運用しています。
こういった運用から得られる利益を予測し、利率分を保険料から割り引くのに利用されます。

会社を運営するための予算と、死亡した人に支払う予算、そしてお金を運用して利益をあげる予定の利率を合わせたものが保険会社として必要なお金ということになり、それは、加入者が支払った保険料ほぼ同額となります。
但し、保険会社の支出の方が多くなってしまうと、事業として成り立たなくなる恐れがでてくるため、実際には保険料は若干高くなっているのが実情です。

保険料の年払い

近年の不景気の影響を受け、家計の見直しを迫られている人は大勢います。その中でも、多くの人が、出費を抑えるために検討し直すのが保険料です。

これまでは、生保レディや営業担当者が勧めらるままに加入していた保険も、見直してみると、不必要な保障が付いていることに気がつくことは少なくありません。自分にとって必要だと思われない保障は、これを機会に削ってしまうのも、ひとつの節約方法です。

また子供を持つ親の場合は、自分達の保障は削ったとしても、子供の保険だけは充実させておきたいと思うものです。特に教育資金の貯蓄を主な目的として子供保険に加入している場合は、継続して入っておくのが賢明です。

スーパーで特売品を買い求めたり、セールを利用したりすることで、生活費を切り詰めて暮らすことはできますが、保険料を値切ったり切り詰めたりいることはできません。
しかし、値切ることができなくても、たとえば、早くまとめて払うという方法で、保険料を安くすることができます。

保険商品によって払い込み回数が選べるものとそうでないものがありますが、例えば月払い(毎月保険料を支払う)と年払い(1年分をまとめて支払う)を比べると、年間で0.5か月分ほど、保険料の支払いを安くすることができます。

ただ年払いだと、一度にかなりの出費になるため、サラリーマンの場合はボーナスを利用して半年払いにする人も多くみられます。
年払いほど安くはなりませんが、半年払いにすれば、月払いよりも支払額を安く抑えることができます。

1年に数千円安くなるだけかもしれませんが、子供保険は払い込み期間が長いですから、18年間続けると合計でいくら安くすることができるか計算してみると、大きな金額になることがわかります。


子供保険より長期間継続する自動車保険も安くできます → 自動車保険の見直し方

子供保険の満期

子供保険への加入を考えるとき、検討すべきことに、18歳満期にするか22歳満期にするか、ということがあります。

保険各社から様々な子供保険が販売されていますが、満期の年齢についても、それぞれ異なっています。
何歳満期が一番得ということはなく、それぞれにメリットデメリットがあるため、各家庭の教育プランを立てた上で、決める必要があります。

例として18歳満期と22歳満期を比較してみます。
18歳満期の保険のメリットとしては、子供の教育の中でも一番お金がかかる大学進学時に満期が来ることから、満期金を入学金にあてることができます。
また18歳までに払い込みが完了することで、子供が大学在学中に家計の負担となる保険料を支払わなくて済む、というメリットもあります。
子供が大学に通う場合、必ずしも自宅から通えるとは限りません。入学金や授業料などの他に、子供への仕送りなども必要になってきますので、保険料の負担がなくなることはこういう場合には大変大きなメリットとなるのです。

18歳満期の保険のデメリットは、大学時代の保障がなくなってしまうことです。
両親にもし万が一のことがあった場合でも保障はなく、医療特約を付けていた場合は、大学入学後の子供の医療保障もなくなってしまいます。

22歳が満期の保険のメリットとしては、大学在学中に、親の死亡保障や特約で付けた医療保障が続く、ということがあります。
在学中に子供が病気をしたり、怪我をしたりしても備えられるというメリットもあります。
デメリットは、教育費の負担が大きくなる大学時代も払い続けることになる保険料で、家計を圧迫する要因となります。
満期金を受け取るのが大学卒業時になりますが、その頃に大きな出費がない場合は、満期金は子供の独立資金や結婚資金にあてる人という人もいます。
しかし最近では、22歳満期の保険であっても、満期金を分割して大学在学中に受け取れる商品もあります。

子供保険は、必要なときにお金が下りてこなければ意味のない保険になってしまうので、加入
際しては、慎重に必要な時期を考えて決める必要があります。

特約に加入するかどうかは、親の保険の内容次第です

保険の多くは、保障内容を充実させるために、様々な特約が用意されています。

基本となる保険を決めたら、更に必要と思われる保障を特約としてプラスすることができますが、その分保険料もプラスされます。
旅行に例えると、基本コースにオプショナルツアーを付けるような感じといえます。

子供保険にも、同じように様々な特約が用意されています。
子供保険の基本は、教育資金の貯蓄と、親に万が一のことがあった場合の保険になっています。
そこに付けられる特約としては、子供が病気になって入院したときに保険金を受け取ることができる「疾病入院特約」、災害・事故で怪我をして入院した場合に保険金を受けることができる「災害入院特約」などがあります。

また病気や怪我で入院し、手術を受けた場合に保険金が受け取れる「手術特約」、事故や災害により後遺症を負った場合の「障害特約」などもあります。
さらに、必要に応じて、これらを自由に組み合わせて付けることもできます。

子供保険では、親にもしものことがあった場合に育英年金が支払われるものが多いですが、この育英年金が特約扱いになっている商品も中にはあります。

毎日元気いっぱい走り回っている子供には、いつ何が起きるかわかりません。
そのため、たくさんの特約を付けて安心したくなりますが、その分、当然のことながら保険料が高くなっていきます。そのため、本当に必要な保障かどうか、よく検討する必要があります。

もし親の生命保険に家族特約を付けていて、すでに子供も加入しているのであれば、同じ保障はいくつも必要ありません。
親の保険に子供の保障を特約として付けていないというケースであれば、子供保険に特約をつけておくと安心です。

医療保険でも、広い範囲を保障することは可能です → 無選択型医療保険

子供保険は、子供が生まれたら、なるべく早く加入する

出産準備のひとつに子供保険の検討、加入を挙げる人も少なくありません。

周りの人達からの情報にもよりますが、子供保険は必須と考え、妊娠中からパンフレットを取り寄せてじっくり検討する夫婦は大勢います。
中には出産祝いとして、両親や祖父母から子供保険をプレゼントしてもらったという人もいるほどです。

子供保険に加入できるのは、0歳から10歳前後としている保険商品が多いのですが、中には「出産予定日の○○日前から加入できます」というものもあります。
赤ちゃんが生まれ、慌ただしい中で子供保険に入るよりは、妊娠中の方が落ち着いて検討、加入手続きができるというの大きな理由のひとつです。

また、出産前に加入することのメリットとしては、もし出産前に親が死亡した場合でも、節目の祝い金や満期金が受け取れるということ、子供が死産だった場合も保障されることがあります。

実際に子供保険への加入年齢としてもっとも多いのは、0歳といわれています。0歳で加入すれば保険期間が長くなり、払い込み回数も多くなるので1回の支払い保険料が安くなるというメリットもあります。
例えば18歳満期の保険に入った場合、0歳で加入して18年間払うのと、2歳で加入して16年間払うのでは払い込み期間が2年間違ってきます。

違いといえば確かにそれだけですが、0歳で加入すれば親の保障も0歳の時から付くということを考えると、やはり0歳で加入する人が最もメリットも大きいといえます。

また、加入時の年齢が高くなるほど死亡する確率も高くなると考えられるため、掛け金が割高になってきます。

以上のことから、子供が生まれたらなるべく早い段階で子供保険に加入するのが懸命です。

最近では、雑誌の広告ページやテレビCMで、保険会社の宣伝をよく目にするようになりました。いずれも大変魅力的な謳い文句に目や耳を奪われるものばかりですが、今は表向きの情報に流されず、慎重に保険を選ぶ人が増えてきています。

保険商品に関しては、特にページの隅の方に書いてある小さな文字に重要な内容が含まれていることが多いことを、多くの人が知っているからです。

このようなことから、保険の説明書を読むのは大変と思っている人は大勢いますが、どのような特徴を持った保険であるかを知るためには、それほど難しいことではありません。

今はインターネットでいくつかの保険商品のパンフレットをまとめて資料請求できるものもありますので、まずは情報を集めて勉強することから始めるのがよい方法です。
特に子供保険に関しては、挿絵も可愛らしいものが多く、何となく易しく理解できるような説明になっていることは少なくありません。

そこで、子供保険の説明書を見る際の注意点をあげてみます。

●祝い金
 保険会社によって、祝い金が出る時期と金額に違いがあります。
 また、満期が18歳なのか22歳なのかによって、同じ年齢時にもらえる金額が異なることもあります。
 自分が祝い金を受け取り時期はいつか、希望に合ったものを選ぶようにします。
●満期金
 保険の契約終了時に受け取る金額のことで、パンフレットに例として示されている金額よりも高く設定することもできます。
 ただし、それに合わせて毎月の保険料も高くなります。
●育英年金・養育年金
 親に万が一のことが合った時の保障で、一時金と毎年支払われる金額が示されています。
●特約
 子供がケガで入院した時や、病気で手術をした時などに、給付金を受け取れる特約が付けられるものもあります。
 各社様々な特約を用意しているので、パンフレットをよく見て、比較検討してみます。
●契約例
 パンフレット通りの基本保険金で契約した場合に、支払う保険料がいくらになるかが示されています。 
 例に示されている年齢より若ければ保険料は安くなり、年をとっていれば保険料は高くなります。
●ご契約について
 子供や親(契約者)が何歳なら加入できるのか、払い込み方法など、契約方法に関する大切な情報が書かれています。

いずれも保険に加入する際には重要な事柄ばかりなので、しっかり理解をして、希望に合った保険を選ぶ必要があります。

最近では、様々な保険商品を見たり聞いたりするようになりました。
世の中が不景気になり家計の見直しを迫られ、今まで何気なく保険料を払い続けていた人も、改めて自分の加入している保険を見直すべき時が来ているといえます。

保険の仕組みは難しくてよくわからないと感じている人は少なくありまはせん。これは、子供保険についても同じといえます。

しかし、「貯蓄」と「保険」で作られているのが子供保険と単純に考えれば、思っていたよりもその仕組みは簡単なものになっています。

貯蓄は始めた時から満期まで、少しずつ目標額に近づいていくのが特徴です。コツコツ時間をかけてお金を貯めていくということです。
そして、積み立てた時間の長さに比例して、受け取れる金額も多くなっていきます。
また、利息もつくので、満期時には自分が貯めた金額+利息分が受け取れます。

但し、貯蓄をしている本人に何か災難が起きた場合、それまで貯めた分のお金しか戻ってきません。そのため、いつ起きるとも分からない災難に備えようとすると、貯蓄だけでは不安です。

その点、貯蓄と違って加入すれば高額の保障が付いてくるのが保険です。
毎月の保険料を払い込んでおけば、いつアクシデントが起きても保障額が受け取れます。逆に保険期間内に災難が何もなければ、払い込んだお金は、ほとんど戻ってこないことになります。

これらの貯蓄と保険を上手くあわせたのが子供保険です。
ただし子供保険を取り扱う保険会社によって貯蓄性と保障性のバランスは異なるので、自分はどちらを重視するのかよく検討して、ニーズに合った保険を選ぶ必要があります。


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